上海長期在住者が教える上海・マンション選びのポイント

駐在が決まってまず最初に考えなければいけないこと、それは住居をどうするかです。

家族構成と家族の年齢、また会社から提示される賃貸予算などによってその選択は千差万別かと思いますが、今日は上海のマンション選びのポイントについて紹介します。

阿信
部屋選びって本当に難しい!阿信は上海で3回、広州で1回マンション選びをしていますが、ほんとうに部屋運がなくて苦労しています。この記事にはそんな私の経験や反省点もたくさん盛り込まれています。

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まずは現地の不動産仲介業者へ問い合わせを

上海には日本人向けに不動産仲介サービスを提供する会社がたくさんあります。先に赴任している会社の先輩などに聞いて、利用する不動産屋さんの候補をいくつか考えておきましょう。す。

最初のマンションを選ぶ際は、日系不動産会社を介してマンションを探すのが無難です。

ローカル不動産会社は賃貸物件情報を豊富に持っていますが、アフターサービスが一切ありませんので、住宅に関するトラブルを全部自分で対処しなければならなくなります。仲介料が若干高くても、日系不動産会社を利用しましょう。

まったく日系不動産のあてがなくても「「上海 日系 不動産会社」といったキーワードでネット検索すればすぐに見つけることができます。

阿信
私の今の部屋はローカル不動産会社なのですが、たまたま担当者が当たりだった模様で修理や手続きのフォローをとてもよくやってくれています。但し全ての交渉は中国語。ま、こんな例もありますよということで。

日系?ローカル系?部屋トラブルに遭いまくりの阿信のケース

我が家、今住んでいる部屋はローカル不動産会社からの仲介物件です。この部屋の大家がこのローカル不動産会社独占で情報を流していた物件でした。大家からの信頼が厚く、かつ不動産会社の店舗はマンションの入り口出てすぐというめっちゃ近い場所に立地。

担当者との会話は全て中国語ですが、私は日系よりも修理対応をとてもスピーディにやってくれていると感じています。

というのも・・・日系不動産会社を使うと、修理対応では中国語への不慣れから不動産会社専属の修理の人を派遣します。その人が来るのが大抵数時間後から半日後。下手すれば翌日ということもあります。また、以前阿信の部屋ではバスタブが壊れたのですが、結局日系不動産の修理工では直せませんでした。その理由が「このマンションで使っている部品が特殊だから」と。わざわざバスタブ付きの部屋を選んだのに、契約満期の1年以上バスタブが使えない事態になりました。

一方、現地不動産会社ですと、軽微な修理でいちいち不動産会社に連絡はしません。そのままマンションの管理事務所に連絡し、マンション常駐の修理工をまず呼んで見てもらいます。この修理工、どのマンションにも必ずいます。そして阿信のマンションの場合、管理事務所のアプリから修理予約でき、最短で15分以内、長くて1時間半で来ます。マンションン常駐という事で、マンション内の設備に知識があり、部品を持っている事も多くその場で修理が済むことも多いです。マンション常駐修理工で対応できない修理の場合には不動産会社の担当に連絡し、別に修理工を呼ぶなどの調整をしてもらいます。

阿信
思えば前の家のバスタブの件も、マンション付きの修理工にお願いしていたらもっと結果は違っていたかもしれません。当時は知識がなさすぎでした。

不動産会社に問い合わせをすると、こちらの希望を聞いてきます。予算、希望エリア、間取り、家族構成などを伝えるといくつか候補を出してくれますので、実際に物件及び周辺環境を見に行きましょう。

上海の駐在員の住まいのタイプ

上海で外国人が居住するマンションには様々な形態がありますが、大まかに

・サービスアパートメント

・個人オーナーが所有する一般のマンション

の2種になります。

サービスアパートメント

サービスアパートメントとは、各部屋に家具家電が完備されており、ホテルのように週2回程度シーツ、タオル交換と掃除などのサービス付きの部屋です。エントランスにはフロントがあり、光熱代の支払いや宅配便の荷物受け取りサービスなども代行してもらえます。

サービスアパートメントの多くが市内中心エリアにあります。中には地下鉄から直結していて雨に濡れずに通勤できるマンションもあります。一方で利便性やサービスの良さから常に満室である場合が少なくなく、個人オーナー所有のマンションよりも家賃は高額です。競争率が高く、どのマンションにしようか迷っているうちに、他の入居希望者に取られてしまうこともあります。

特に上海では近年、日本人向けに特化したサービスアパートメントが軒並み閉鎖になっており、残った日系サービスアパートメントに入居希望者が押しかけキャンセル待ちの状況と言う話も聞いたことがあります。

家賃が高い分、至れり尽くせりの住環境を提供してくれますが、一つ気を付けたいのが光熱費。サービスアパートメントの光熱費(電気、水道、ガス代)は一般家庭が支払う光熱費よりも単価がかなり高く設定されています。また、サービスアパートメントによって単価設定が異なります。

会社によっては、光熱費も家賃補助に込であるものの、当初の想定額よりも超過した分は自分で支払う、などの規定もあり、入居前に、
①光熱費の扱いがどうなるかの駐在員規定の確認及び
②サービスアパートメントの光熱費単価がどうなっているのかの確認
が欠かせません。ケースによってはひと冬に2500元近く支払ったという事もあります。

個人オーナーが所有するマンション

一方の個人オーナーが所有するマンションは、先ほど書いた日系不動産会社を通じて候補を出してもらいましょう。

中国のマンションは販売時は内装されておらず、オーナー自らが内装を行う必要があるため、同じマンションの部屋でも内装はまさに千差万別。最初は何も分からないままの部屋探しですが、いくつか実際に物件を見ているうちに、だんだんイメージが湧いてきます。

物件回りはとても疲れますが、根気よく、たくさん見て回りましょう。

個人オーナー物件の中には、投資用としてオーナー自身は一度も住まず、賃貸専用で貸し続けている部屋もあります。そういった部屋は総じて設備もよくなく(最低限)で、部屋の使い勝手も考えられずに作られており、住みづらいです。「この部屋にオーナー自身、もしくはオーナーの家族が住んだことがあるか?」と聞いてみましょう。自らが住んだ部屋はオーナーのこだわりがあり、部屋の設備もいい事が多いです。

阿信
私が今住んでいる部屋はそんな観点から選びました。結果満足しています。

マンション選びのポイント

家具や家電など、古すぎるものは交換を依頼したり、安いものであれば自分で買えば済みますが、部屋の構造的に改善が望みにくい問題があると、住んでからずっと不便を強いられることになります。

以下を重点的に見ることをオススメします。
①大家の人柄
②間取り
③水回り

大家の人柄

人を一瞬でどんな人かを見抜くのは至難のわざ。大家の人柄を判断するは一度会っただけではなかなか難しいですが、気の難しい人に当たってしまうと、住居トラブルをなかなか改善してもらえないなど、後になって泣きを見ます。

客商売じゃないの?と思うなかれ。上海の賃貸契約は極めてオーナーに有利にできていること、人気の部屋はすぐに借り手がつくため、一般的に大家は強気です。

まずはこちらの記事で紹介したように、

你好!nǐ hǎo!ニィーハオ!

と挨拶して対応を見てみましょう。最低限、気持ちの良い対応をしてくれる大家さんに会いたいですね。

部屋の内見をした際にちゃんと大家自らが同席し、ちょっとここは・・・という箇所を発見した際に「この設備は買い替えできますか?」と尋ねた時に気持ちよく「いいですよ」と応えてくれる大家は「あたり」かもしれません。

↑実際に内見した家。ソファが古いので買い替えのリクエストをしました。

「はずれ」の大家に当たると、入居時の家具の買い替え交渉でも渋りに渋り、設備が壊れてもろくに対処せず、ようやく同意してもあからさまにダウングレードな設備に換えてきたりもします。電話をかけても大家が一方的にがなりたてて、まったく話にならないという大家もいます(経験談)。

間取り

間取りについては、中国でも住まいの日当たりを重視しますので、ベランダや部屋が南向きにの場合が多いものの、築年数の古いマンションや風水に凝ったマンションなどで、稀に南向きの部屋がないことがあります。

方位がよくわからないときはiPhoneなどスマホのコンパス機能を使って南がどこか確認しましょう。上海の冬は寒いので、南向きの部屋がないと冬を過ごすのがつらくなります。

またサービスアパートメントの場合、窓の開閉が禁止されている物件もあり、部屋の換気が難しい場合がありますので、注意が必要です。

家族が多い場合、特にお子さんがいる家庭の場合は、洗濯物を干す場所がきちんと確保できるかも大事なポイントかと思います。

水回り

最後に注意したいのが水回り。高層マンションの場合は既に水圧ポンプを付けてくれていることがほとんどですが、実際に水を出してみてどれくらいの水圧があるか確かめましょう。

また、日本人にとっては特に大事なお風呂について。バスタブを希望する人が多いと思いますが、給湯湯沸かし器とメインで使うお風呂との距離を確認しておきましょう。

湯沸かし器からお風呂が遠いとお湯が出るまでに相当な時間がかかります。可能であれば、お風呂やシャワーのお湯を実際に出してみて、水圧とお湯が出るまでの時間を確認しましょう。

またお風呂のすぐ横が外である場合、お風呂場が大変冷えて、冬季の入浴が辛くなります。直接外部に接しないところにお風呂があるのが理想的です。

上海の浴室は冬季の入浴に備えて暖房(多くが暖かい光が出る照明かパネルヒーター)が備え付けてあります。それが使える状態かもスイッチを入れて確認しましょう。上の写真は暖かい光が出るタイプの浴室暖房です。

阿信
私はこの確認を怠り、入居日に「シャワーのお湯が出ない」。冬には「暖房がつかない」ことに初めて気づきました。※引っ越しは夏だった。

できれば湯沸かし器も直接見ておきましょう。湯沸し器にはガス式とタンク式があります。ガス式の方が一般的です。多くがキッチンかキッチン脇のベランダに設置してあります。

丸く囲っているのがタンク式給湯器。

阿信
入居前の確認で大家はこのタンクの容量で問題なし!と言うものの、実際は全然足りませんでした。

①どこのメーカーか、②古すぎないか、③容量がどれくらいか、④恒温タイプか、などです。湯沸し器の容量は最低でも11L欲しいですね。3LDK程度の広めの物件の場合は容量が13~15Lあれば大丈夫かと思います。

阿信
今の我が家で使っているガス式給湯器の容量は16L。一番奥のバスルームでお湯を使う際、お湯が出るまで数分かかりますが、バスタブにお湯を張るなどには全く支障はありません

タンク式の場合、容量が足りるのか大家にしつこいくらいに確認しておきましょう。容量が十分であれば、お湯が出る速さはガス式よりも早く、冬は快適です。ただし、電気代が高くかかるのが欠点とも言われています。

自分で確認できない場合は、不動産屋担当を通じて大家さんに聞くのがベストです。

阿信が多くの部屋トラブルに見舞われた理由

はい、これまで上海で3部屋、広州で1部屋に住みましたが、そのうち2件で信じられないほどのはずれ大家に当たってしまいました。その最大の理由が

持って生まれた貧乏性と会社への変な義理心で家賃補助額よりも3000~5000元安い部屋をターゲットに探しており、その事が結果として相場よりも安い部屋に住み、ハズレ大家に遭遇する率を高めてしまったから、と私は考えています。

相場よりも安い家・・・安くしないと借り手がいない。これは何かあります。中国生活歴が長い私の友人曰く「中国には安くていいものはない。高くてもいいとは限らない」と話していましたが部屋に関してはまさにそうです。

そんなコスパ良好物件に出会えたならもうほんとにラッキーですが、断言しますが強大なコネがない限りまずありえません。今、私が住んでいる部屋はそんな重なる反省から「家賃上限きっかり」の部屋にしました。結果、満足しています。

ただ、階下でボヤ騒ぎが起こってしまい、命を守るために10階前後に住むべきだったとは思っています。

部屋探しは本当に難しい!成功をお祈りしています・・・

いかがでしたか?

他にもいろいろ物件を吟味する上でのポイントがあるのですが、住まい探しと結婚相手探しは似ているところがあって、あまり欲張りすぎると永遠に希望の物件に巡り会えなくなってしまいます。先輩たちの居住経験などから、自分なりの優先順位を考えておかれると良いと思います。

皆さんがより良い物件に出会えますように!

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